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米軍の思いやり予算に関して
年7千億円も米軍に「思いやり」を与える日本政府はどこまで馬鹿なのか? 
在日米軍の駐留費用を支援する通称「思いやり予算」。それを政府は,「同盟強靱化予算」に
言い換えると表明した。
支出の実態にあわせた表現だとするが,際限ない負担増につながる可能性をはらむ。
1960年に締結された日米地位協定の第24条では,米軍基地を提供するために要する地権者補償などを
日本側が、それ以外に生じる全ての維持経費を米側がそれぞれ負担すると規定しています。
ところがベトナム戦争で米国経済が疲弊。
ニクソン・ショックによる円高ドル安も重なり,米国は支払い義務の駐留経費を,日本側に負担を迫る。
日本政府は日米地位協定24条の解釈を見直して支払う事とし,78年度に米軍基地の日本人従業員の
労務費」(62億円)の肩代わりを始めた訳である。
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​そもそもの発端は1978年(昭和53年)6月、時の防衛庁長官・金丸信が,在日米軍基地で働く日本人従業員の
​         ​  給与の一部(62億円)を日本側が負担すると決めた事から始まる。
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日本周辺の情勢を考慮しても,厳しい財政状況下での増額に国民の理解が得られるだろうか。

2022年度から五年間の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)を年平均約2110億円,1兆550億円と,

する事で日米両政府が合意した。

前回協定より年220億円近い増額で,中国の軍事的台頭や北朝鮮の核ミサイル開発の進展など安全保障環境が厳しさを

増しているとして,日本政府が米側の負担増要求を受け入れた形だ。

日米安全保障条約に基づく日米地位協定は,基地や訓練場などを駐留米軍に提供する義務を日本側に課す一方、

駐留に必要な経費は米側負担と定めている。

思いやり予算は,米側が本来負担すべき人件費や光熱水料などを日本側が代わりに負担するもので円高や

米国の財政赤字などを背景に1978年度から始まった。

安保条約上,日本側に支払い義務はなく,負担の根拠を問われた当時の金丸信防衛庁長官が

思いやりをもって対処する」と答えた事にちなんでいる。

日本側が負担する在日米軍関連経費は,施設の借料や基地交付金などを加えれば総額年間8000億円を超える。

防衛省の試算では日本の負担割合は15年度段階で8割を超え,韓国やドイツなど

他の米軍駐留国に比べて突出して高い。

日本政府は今回の交渉で,国民の批判が強い光熱水料などの負担を減らす一方,在日米軍の即応性を向上させる為の

負担などを増やす事で「メリハリをつけた」と説明。

思いやり予算」の通称を「同盟強靱きょうじん化予算」に言い換えるよう主張もしているが,

条約上は日本側に支払う義務がない負担である事に変わりはない。

第二次安倍内閣が編成した13年度予算以降,米国の要求にも応える形で防衛費の増額や,高額の

米国製装備品の購入も続く。

安全保障政策は納税者や基地負担を強いられる地元住民の理解がなければ成り立たない。

地域の警察力として米軍の存在は認めるとしても,日本側が負担を漫然と増やすのではなく、

適正額を常に問い続ける必要がある。

新しい協定案は来年1月召集の通常国会に提出される。沖縄県民に過重な負担を強いる在日米軍基地の在り方や

米軍人らに法的特権を認める地位協定の妥当性を含めて,徹底審議を求めたい。

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