<メタンハイドレート>
メタンハイドレートは,日本の近海で存在が確認されている。
将来の国産エネルギー資源の一つと成る事を期待される。主に政府により,民間が商業化を進めている。
メタンハイドレートは,天然ガス主成分のメタンと水が結合し,結晶化したもの。その形状から「燃える氷」とも呼ばれる。
水深500メートルを超える低温かつ高圧な環境が保たれた海底面下や永久凍土層の下,
高山の地下などに存在すると言われる。日本近海では,以下の2種類のメタンハイドレートが確認されている。
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砂層型メタンハイドレート
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海底面下数百メートルの砂層の砂粒の間に存在。
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日本近海では主に太平洋側に存在。
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表層型メタンハイドレート
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海底面から海底面下100メートル程度の間に,ガスチムニー構造と呼ばれる塊状で存在。
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日本近海では主に日本海側に存在。
メタンハイドレートは,低温高圧の条件下で,水分子にメタン分子(天然ガス)が取り込まれ,氷状になっている物質です。
「燃える氷」と称されており,温度を上げる,ないしは圧力を下げるなどの変化を与えると,水分子と気体のメタン分子に分離します。
分離されたメタン分子は天然ガスの主成分と同じものです。
メタンハイドレートは,世界中の水深の深い海底面下や極地の凍土地帯の地層に広く分布しています。
我が国周辺海域に賦存するメタンハイドレートは,主に2つの賦存形態が確認されています。
① 砂層型メタンハイドレート
水深500m以深の海底面下数百mの砂質層内に砂と混じり合った状態で存在し,
主に東部南海トラフ海域を中心に賦存が確認されています。
② 表層型メタンハイドレート
水深500m以深の海底面及び比較的浅い深度の泥層内に塊状で存在し,主に日本海側を中心に賦存が確認されています。
我が国は,メタンハイドレートをエネルギー安定供給に資する重要なエネルギー資源として,
商業化に向けた技術開発に取り組んでいるという。
人工メタンハイドレートが燃焼している様子
メタンハイドレートは,石油・天然ガス・石炭などのエネルギー資源が少なく,
そのほとんどを外国からの輸入に頼っている日本の近海にも相当量が存在すると推測されており,
新しい資源として注目されています。
・人工のメタンハイドレート結晶は,白色で触ると冷たい氷のような物質です。
常温下で分解が進むため,火を近づけると放出されたメタンガスに引火し,メタンハイドレート自体が
燃えているように見えることから,「燃える氷」と呼ばれる事があります。
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<日本を超す中国のメタンハイドレート採掘技術>
火をつけると燃えることから,「燃える氷」とも呼ばれるメタンハイドレートは,石油・天然ガスに代わる次世代資源として注目されている。
しかし,その採掘は技術的な困難を伴うため,なかなか実用化できていないのが現状だ。
中国メディアはこのほど,メタンハイドレート採掘の分野で中国は日本を超えて世界最先端の技術を有しているとする記事を掲載した。
メタンハイドレートは深海の海底や永久凍土の下に埋もれているため,その採掘は非常に難しいと指摘した。
その埋蔵量が非常に多いとはいえ,多くの国で実験的なサンプルの採掘しか出来ないのが現状だ。
メタンハイドレートはクリーンなエネルギー源だが,その採掘過程で強力な温室効果ガスのメタンガスが発生する恐れがある事も,
採掘を難しくしている要因だという。
しかし,この点で中国は世界をリードしていると自賛するのだ。それは,海洋掘削プラットフォームによって,
2度目のメタンハイドレート採掘試験に成功したからだろう。
南シナ海で行われたこの採掘試験で,水深1200メートル以上の海底からメタンハイドレート採掘に成功したという。
南シナ海の海底には中国のエネルギー需要の数百年分に相当するメタンハイドレートがあるという。
それで,現状では原油や石炭に依存する中国は,仮にアメリカなどによってマラッカ海峡を封鎖されると
中国の発展が阻害されると指摘する一方,メタンハイドレートがあれば,原油や石炭に依存せずに済む。
最後に,メタンハイドレートの採掘はアメリカで行われているシェールガス採掘より難しいと主張し,
そのメタンハイドレートの採掘に成功している中国は高い採掘技術を持つ事を意味すると主張しているのだ。